『輸入ジャズレコード店の思ひ出』VOL.1

FACEBOOKを時々見るが、入手したレコードをアップして紹介されている方がおられる。紹介されるレコードはすでに廃盤となっているジャズヴォーカルのアルバムが中心で、筆者と好みが同じなのでついつい見てしまうのだが、入手方法は全てネットオークションとのこと。自宅で欲しい廃盤レコードが手に入ってしまう、今やそういう時代なのだと、あらためて感じている。CDが登場する前の、レコード全盛時代にはレコード店が数多くあり、ジャズ系の輸入レコード店、廃盤レコード店には足繁く通ったものである。
『餌箱を漁る』という表現があるが、1日に何軒もレコード店を回っても1枚も収穫がなかったことも少なくない。一方で期待せずに行った先で、思いがけない珍盤、レア盤にめぐり合うこともあった。レコード店に足を運ばなくなってから久しくなるが、かつて通った都内の思い出深いレコード店について記してみたい。他にも多くの輸入レコード店、廃盤レコード店があったが、現在も営業中のお店は少なくなってしまった。営業されているお店でもネット販売と併用されているところも多いが、やはりレコード店の醍醐味は『餌箱を漁る』である。レコード店のあの独特のビニールのにおいが懐かしい。また思ひ出した
レコード店を投稿したいと思います。

■オザワ(西新宿)
小田急ハルクの裏にあった小さいお店。輸入盤の新譜の入荷が早かった。小さいお店ながらいつ行っても客で混んでおり、人気店だった。ジャズのオールジャンルをカバーしており、新譜を探すならまずこの店からだった。閉店。
■ハルモニア(銀座)
クラシック系が中心の輸入レコード店だが、量は少ないもののジャズ・ポピュラー系も扱っていて、他店では手に入りにくかった、LONDONレーベルの新譜が良く入荷して重宝した。またアメリカの月刊レコードカタログ誌”Schwann”からのオーダーができる数少ないお店だった。オーダーしてから届くまで1か月以上かかった記憶がある。閉店。
(大場アキヒロ・記)