あれは今年の1月くらいだったでしょうか。
音友会代表塚田が、「押さえちゃったんだよねホール。どうする?」と、「今夜のごはんどうする?」くらいの軽いノリで言ってきたのは。事の重大さが身に沁みてきたのはしばらく経ってからです。
限られた予算の中で出演者を集めるため打診し、コンセプトを決めて広告を出し、ミーティングを重ね時には行き違い、そもそも平日16:00に一体どのくらいのお客様に来て頂けるのだろうと。我々は無我夢中でできることをとにかく必死に活動して、ありがたいことに各メディアにも取り上げて頂きました。気付けば、「ただ音楽が好きだから」「やりたいから」だけではなく、「元住吉にとって意味のあることだろうか」「地域の方に価値のある内容だろうか」。いつの間にかそんな視点で今回のイベントを考えるようになっていました。やれることはやり尽くした。それでだめならしょうがない。そんな気持ちで蓋を開けてみると、想像以上にたくさんのお客様に足を運んで頂き、総勢10組、転換時間を含め4時間半というステージ構成の中、最初から最後まで観て下さった方もいらっしゃいました。心より感謝申し上げます。また、前例もなくよくわからなかったであろうイベントに快諾して下さった出演者様は、演奏が素晴らしいことはもちろん、常に周りの事を考えて下さる思いやりのある方ばかりで感謝しております。とはいえ、初めての試みゆえ反省点も多々あります。アンケートで皆様から頂いた貴重なご意見は、必ず今後の取り組みに活かしてゆく所存です。同時に、まだ顕在化されていない音楽の力の可能性を強く感じました。
元住吉から音楽のポテンシャルを発揮し、将来的には豊かな社会にしたい。
どうぞ懲りずにお付き合い頂けたら嬉しいです。
牧野くみ(元住吉ミュージック・フェスティバル副実行委員長)