〜連載11〜 田島華乃・言葉を覚えるように音楽にふれてほしい

11-image1お母さんや、お父さんが話しかける言葉。電車やバスでたまたま隣に座ったおばあちゃんが話しかける言葉。幼稚園児どうしのおはなし、大人どうしの会話、子守歌、アナウンス、テレビの音声、そういった、たくさんの言葉たちを聞いて赤ちゃんはだんだんとおしゃべりが出来るようになります。
そんな風に、子どもたちにとって音楽にふれてもらえたらいいな、と思って活動をしています。
私が、親子向け演奏会を自ら企画していこうと思ったきっかけは、以前、ベルリンフィルの演奏を聴きにベルリンへ訪れた時、ゲネプロ(演奏会当日の最終リハーサル)に幼稚園児が先生に連れられて沢山きていて、一流のオーケストラの音を聴きながら、じっと見たり、身体を動かしたり、指揮のマネをしたり、それぞれの感性で見学をしていました。
驚いた私は、遠足か何かなのですか?と近くにいらした現地の方に質問すると「近所の子供たちのお散歩コースよ、よくある光景なの」と、仰いました。
こんなに間近で、本物の楽器たちの生の音を自然に聴ける環境は日本ではなかなかないな、子どもたちの感性はどんなにスクスクと育っていくのだろう、と感動しました。
kano14-1微力ながら、私にも何か出来るのではないか
と思い、現在の活動に至ります。
すぐそこで、生の響きが聴ける環境がもっと増えていく事を願い続けています。